この言霊は、水と火が與(く)みあい、調和する言霊でありながら、夫婦の仲のことも、世の中のことも、ヨといっているのには、驚きます。 つまり、理想がそのまま現実と重ねられているのです。 「天地と人と與み、君臣父子夫婦昆弟朋友とくみくみ、和らぎ居るを、ヨと云」

ヨの音の五つの法則

• 與也。
• 女男の契り也。
• 淀也。
• 齢也。
• 下知也。

一番目の「與む」ことの最もすぐれて顕れるものが、夫婦の仲であるところから二番目の法則に「女男の契り」があります。古今集のつぎの歌の「世の中」は、浮世のことではなくて、夫婦の仲になっています。

流れては妹背の山の中に落ちる　芳野の川のよしや世の中

千代万代までもと約束を交わした夫婦の間でも、年月をへると、妹背の中を隔てて落ちる吉野の川のように、 物にさえぎられて離れてしまうこともあるものだなあという心を詠んだ歌であると説明されています。