ワ行のウには、つぎの五つの法則があります。

ウの音の五つの法則

• 渦巻の水也。
• 動也。
• 沈也。
• 暗也。
• 黒也。

まず、ア行のウと異なるのは、ア行のウがまっすぐに昇ってゆくのにたいし、ワ行のウは渦巻きながら降ってゆく点でしょう。 ア行のウは、右、すなわち水気ですが、ワ行のウは、左、すなわち火垂りです。そこからア行のウは語の上にだけ位置し、ワ行のウは反対に語の下にのみ位置します。

三番目の法則ですが、シツムと読ませ、シは昇水の霊であるサ行のシですが、ここは単純に水ということです。 ツはツヅキツヅクことで、ムは睦むこと、結ぶことです。渦巻いて下に降る水から、沈むという法則が出てきます。四番目に暗き也とありますが、いずれが水とも火とも分からないほどに、イキの気が、與んだ状態をさします。クラキのラは助言で省けますが、キはイキ、クは與です。必ずしも夜の暗さのことではなく、道理に暗いなどの意味をもちます。